カフェインに期待できる効果と注意点

date
2023.03.23

コーヒーや紅茶、チョコレートなどカフェインが含まれている飲料や食品は多く、朝はコーヒーが欠かせない!など生活の一部になっている人も多いかと思います。一方で、カフェインの摂取は体によくない、という漠然としたイメージを持って […]

特集

コーヒーや紅茶、チョコレートなどカフェインが含まれている飲料や食品は多く、朝はコーヒーが欠かせない!など生活の一部になっている人も多いかと思います。一方で、カフェインの摂取は体によくない、という漠然としたイメージを持っている人もいるのではないでしょうか?カフェインの過剰摂取は体に様々な害を引き起こしますが、許容量を超えなければ、実はメリットもたくさんあります。

 

カフェイン摂取のメリット

カフェインを摂取することは、一概に体に悪いとは言い切れません。むしろ、許容量や摂取のタイミングをうまく見極めれば生活にメリハリを与えてくれます。

 

・脂肪燃焼効果

カフェインを摂取すると基礎代謝が上がり、脂肪の燃焼を促進させる効果があります。特に朝のコーヒーは午前中の基礎代謝を促すだけでなく、交感神経を活性化させて体を目覚めさせてくれる効果もあります。朝からしっかり活動したい場合や、朝のトレーニング前などにカフェインを摂取することで、一日をアクティブに過ごせるようになったり、多少のダイエット効果を期待することもできます。

 

・覚醒作用

勉強や仕事中にコーヒーが欠かせないという人がいるように、コーヒーには眠気を覚ませ、集中力をアップさせる覚醒作用があります。そのため、しっかりと目の前のことに注力したい時や、気分を切り替えたい時などに効果的です。

また、カフェインには疲れの信号である「アデノシン」の働きを弱める効果があります。エナジードリンクなどで一時的に回復したような気がするのは、カフェインが疲労を伝えるアデノシンをブロックしているためです。そのためトレーニング前にカフェインを摂取することでトレーニングによる疲労を感じにくくさせ、集中して効果的にトレーニングを行うことができます。ただし、これは一時的なものなので、使い所や摂取量をきちんとコントロールしなくてはなりません。

 

・利尿作用

コーヒーを飲んだらトイレに行きたくなった、という声を聞くように、カフェインには利尿作用があります。そのためしっかりと水分と合わせて摂取することで、体の老廃物を流し出す効果が望めます。また、腸のぜん動運動を促し便通を刺激する働きもあるため、朝のコーヒーをうまく活用するのもおすすめです。

 

カフェイン摂取のデメリット

摂取許容量を超えてカフェインを摂取してしまった場合、体に様々な不調が訪れることがあります。これは個人差が大きいので一概には言えませんが、もしかしたら?と思ったらカフェインの摂取量を見直してみるのがおすすめです。

 

・胃の不調

カフェインの過剰摂取は胃痛や胸焼けといった胃の不快感をもたらします。場合によっては吐き気などを催すことも多く、もともと胃が弱い人や、暴飲暴食が続いている際などは特に注意が必要です。

 

・興奮や震え

カフェインは交感神経を活性化させ適度な緊張をもたらしますが、度を越えると異常なまでの興奮で落ち着きがなくなってしまったり、手の震えなどといった症状が出てくる場合もあります。エナジードリンクの飲みすぎなどは特に気をつけなければなりません。

 

・入眠障害

カフェインの摂取は場合によっては穏やかな眠りを妨げてしまうこともあります。国によっては「夕食後にコーヒー」という文化があるように、こちらも人によってかなり個人差がありますが、カフェインへの耐性が低い人はコーヒーや紅茶を飲む際、飲むタイミングにも気をつけてみましょう。

カフェインは通常、摂取後1時間を目安に血中濃度がピークになりそこから徐々に下がって行きます。目安としては4時間ほどで睡眠の導入の妨げにならない程度にまで下がるといわれているので、気になる場合は夕方頃からカフェインの摂取を控えるのがおすすめです。

 

・鉄分の吸収を阻む

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインとタンニンは鉄分の吸収を阻害してしまいます。そのため、普段から貧血気味の人や食生活に偏りがある人は、食事の前後のカフェイン摂取を控えるのがおすすめです。また、鉄剤や鉄分の入ったサプリメントなどを飲む場合も同様に、前後1時間はカフェインの摂取を控えるようにしないと、鉄分が体に吸収されずに流れてしまうので注意が必要です。

 

・カフェイン中毒の恐れ

カフェインを「常用的」に「多量」に摂取していると、いわゆるカフェイン中毒になってしまう場合があります。カフェイン中毒になってしまった場合、カフェイン無しでは逆に不安になったり、カフェインが摂取できずにイライラしてしまい、ストレスを溜め込んでしまう可能性があります。特にエナジードリンクなどは1本の中に含まれるカフェイン量が極端に多いものもあるので、定期的に飲んでいると気がつかないうちにカフェイン中毒になってしまう恐れがあります。

 

カフェインの一日の摂取目安は?

カフェインの摂取の目安量は健康な成人で1日に400mgとされています。これはコーヒーでいうとマグカップ(230ml)3杯ほど、紅茶でいうと5〜6杯ほどにあたります。

ただし、カフェインの許容量に関しては個人差が大きいため、日本においても、また世界的にも明確な摂取基準というものは設定されておらず、あくまでも目安としての注意喚起にとどまっています。

またカナダ保健省(HC)が2010年に発表した摂取許容量の目安によると、妊婦中や授乳中の女性の場合は200〜300mg / 日ほど、子供の場合は年齢に応じて45〜85mg / 日とされています。

 

身近な飲料や食品に含まれるカフェイン量

コーヒーや紅茶以外にもカフェインが含まれる飲み物や食品はたくさんあります。自分が普段からどれくらいカフェインを摂取しているのか認識して、体に無理のない生活を心がけましょう。

  • コーヒー 1杯 140mg
  • 紅茶 1杯 70mg
  • ココア 1杯 70mg
  • 緑茶・ほうじ茶・烏龍茶 1杯 46mg
  • エナジードリンク 1缶 80〜140mg (商品による)
  • コーラ 1本(500ml) 48g
  • ミルクチョコレート 100g 25〜35mg
  • ハイカカオチョコレート 100g 70〜120mg

※1杯は230ml で計算しています

 

コーヒーは豆の種類や焙煎度合い、また紅茶も茶葉の種類によってカフェイン量には差があります。特にコーヒー豆は一般的にインスタントコーヒーや缶コーヒーなどに使用されるロブスタ種と、近年注目されているスペシャリティーコーヒーなどで主に使われているアラビカ種で、大きく二種類に品種が分けられます。アラビカ種のコーヒー豆に含まれるカフェイン量はロブスタ種の約半分とされています。そのため、同じコーヒーでもインスタントコーヒーとカフェで飲むコーヒーではカフェイン量に大幅な差が出てきます。

また、チョコレートはカカオの含有量によってカフェイン量が大きく左右されるので、カカオ70%などのいわゆるハイカカオチョコレートにはより多くのカフェインが含まれています。

 

自分の許容量を見極めて上手にカフェインを活用しよう

カフェインがどれくらい摂取できるかは、人によってかなり差があります。全くカフェイン耐性のない人もいれば、許容量の目安とされている400mgを大幅に上回っても大丈夫な人もいます。しっかりと自分の体調と相談して、適切な量を最適なタイミングで摂ることによって、生活の中でカフェインをうまく活用していきましょう。

また、どうしても体に合わない人にはデカフェのドリンクをうまく取り入れることもおすすめです。最近ではカフェインレスの紅茶やコーヒーのクオリティーもとても高くなってきています。色々と試してぜひ自分の好みのものを見つけてみてください。