ドリップコーヒーとエスプレッソ、カフェイン量はどちらが多い?抽出方法と飲み方に注目!

date
2023.03.23

ブラックコーヒー派であれば、少なくとも一度はドリップとエスプレッソの違いに首をかしげたことがあるかと思います。さらにブラックコーヒーと言えばアメリカーノもあり、メニューに両方ある場合はどちらを選べばいいのか悩んだ経験も多 […]

ブラックコーヒー派であれば、少なくとも一度はドリップとエスプレッソの違いに首をかしげたことがあるかと思います。さらにブラックコーヒーと言えばアメリカーノもあり、メニューに両方ある場合はどちらを選べばいいのか悩んだ経験も多いのではないでしょうか。

 

ドリップコーヒーとエスプレッソの違い

ドリップコーヒーとエスプレッソは主に、抽出方法とその濃さ(濃度)に違いがあります。

 

・抽出方法の違い

ドリップコーヒー:

ドリップコーヒーは専用のドリッパーとフィルターを使って、その上から少しずつお湯を注ぎ、ゆっくりと時間をかけて抽出します。フィルターは色々な種類のものがありますが、主流はペーパーフィルターです。ペーパーフィルターを使って抽出した場合、コーヒーの微粉や油分がペーパーフィルターでしっかりとこされるため、さっぱりと軽い口当たりになります。味もエスプレッソに比べるとすっきりとしていて、繊細なフレーバーを楽しむことができます。

 

エスプレッソ:

エスプレッソは専用の機械、いわゆるエスプレッソマシーンを使って抽出されます。エスプレッソの抽出方法の特徴は、「短時間」に「高圧力」をかけて抽出されることです。ドリップコーヒーが抽出に2〜4分かかるのに対して、エスプレッソの抽出時間は30秒前後が主流です。また、基本的には抽出の際、9気圧ほどの圧力をかけて、一気にコーヒー豆の成分を抽出しています。そのため、抽出された液体はしっかりと粘度があり、クレマと呼ばれるクリームのような層があるのが特徴です。また、ペーパーフィルターを使用するドリップコーヒーと違って、コーヒーの油分までしっかりと抽出することができるため、非常に力強いアロマとコクがあります。

 

・濃度の違い

ドリップコーヒー:

一般的にドリップコーヒーに使われるコーヒー豆と水の比率は1:16が目安といわれています。例えば20gのコーヒー豆を用意した場合、使用される水の量は約320gとなります。コーヒーに対する水の量が多く、必然的に抽出されたコーヒーもさらっとした質感になります。

 

エスプレッソ:

エスプレッソの抽出液のことを「エスプレッソショット」と言うように、1回で抽出される量はドリップコーヒーに比べてごく少量です。コーヒー豆20gに対して、抽出量は30〜40gほどとなります。その濃度は非常に高く、エスプレッソだけで飲むことももちろんありますが、お湯やミルクなどで割って、アメリカーノやラテにして飲まれるのが一般的です。

 

・カフェイン量の違い

ドリップコーヒーとエスプレッソ、それぞれのカフェイン量には明白な差があります。

  • ドリップコーヒー:60〜70g / 100ml
  • エスプレッソ:200〜210g / 100ml

 

これは、エスプレッソが圧力をかけてしっかりと抽出された、いわばコーヒーの濃縮液だからです。しかし実際に、お店で提供される際、エスプレッソは主に「デミタスカップ」という専用の小さなカップに入れられて提供されます。量はお店によって様々ですが20〜30mlほどが基本です。そのため、実際に1杯のエスプレッソを注文した際に摂取するカフェイン量は40〜60gほどとなります。

逆に、ドリップコーヒーはコーヒーサーバーやマグカップなどで提供されることがほとんどです。例えばマグカップ1杯(230ml)のドリップコーヒーを注文した場合、カフェイン量は140〜160gほどとなります。つまり、単純なカフェイン含有量だけを比べるとエスプレッソの方が多いですが、実際に飲む量を念頭に置いて考えると、ドリップコーヒーの方がカフェインを多く摂取しているケースがほとんどということになります。

 

エスプレッソをカフェラテやアメリカーノにした時のカフェイン量

カフェラテやカプチーノ、アメリカーノといったドリンクはエスプレッソをベースに作られています。カフェラテとカプチーノはどちらもエスプレッソをミルクで割ったものですが、カプチーノの方がスチームしたミルクのフォーム(泡)が多くふわふわと優しい口当たりです。

アメリカーノはドリップコーヒーと間違われることもありますが、基本的にはエスプレッソのショットをお湯で割ったものになります。淹れるお湯の量にもよりますが、基本的にはアメリカーノの方が濃いめで、エスプレッソのキレのある苦味やコクが楽しめます。

 

カフェラテやカプチーノ、アメリカーノに使われるコーヒーの量はお店によって多少差がありますが、基本的には20〜30gほどとなります。エスプレッソのショットにスチームしたミルクかお湯が注がれるので、コーヒーの量は基本的に変わりません。したがって、カフェラテもカプチーノもアメリカーノも、含まれるカフェイン量はエスプレッソのショットのカフェイン量(40〜60g)と同じということになります。(お店によってはメニューごとに使用するエスプレッソの量を変えていることもありますが、基本的にはこの範囲内に収まるくらいの違いです。)

 

カフェインの一日の摂取基準は?

カフェインの一日の摂取基準に関しては、実は日本では明確な基準はありません。これは、カフェインの許容量が体質によってかなり差があるためです。ただし、欧米などでは健康な成人のカフェインの一日の摂取目安を「400mg」と発表している国もあります。これは、ドリップコーヒー1杯(230ml)に直すと、3杯ほどになります。また、体の小さい子供や、妊娠中・授乳中の女性などはカフェインの摂取量をできるだけ抑えた方がいいとされています。

 

カフェインを摂取しすぎるとどうなる?

カフェインは上手く使えば、脂肪燃焼効果があったり、眠気を覚まし、物事に集中できるようにする覚醒作用があったりと、メリットも多くあります。一方で、許容量を超えてカフェインを過剰摂取してしまった場合、胃痛や吐き気などといった消化器系の不調や、睡眠障害、動悸など、逆に体調を崩してしまうこともあります。

 

また、恒常的に多量のカフェインを摂取し続けると、気がつかないうちにカフェイン依存症になってしまうといったケースもあります。カフェイン依存症になると、慢性的にカフェインを摂取していないと落ち着かなくなってしまったり、イライラや無気力といった症状がでる場合もあります。特に、カフェインを眠気覚ましや疲労回復の効果を狙って飲んでいる場合、だんだんと体が慣れてきて少量のカフェインでは効かなくなり、次第に摂取量が増えていってしまうケースもあります。そういった場合は、カフェインを摂取しない日を意識的に作ったり、デカフェのコーヒーに切り替えたりなど、脱カフェインの習慣を取り込むようにするのがおすすめです。

 

自分の体調と相談して、上手くカフェインと付き合おう

カフェインは一概に悪とは言えませんが、その摂取量には充分注意が必要です。特にドリップコーヒーはさらさらと飲むことができますが、意外とカフェイン量が多いので気をつけなければなりません。もしカフェインが気になる場合は、デカフェのコーヒーを取り入れるのもおすすめです。今は美味しいデカフェのコーヒーも増えてきているので、無理のない範囲でコーヒーを楽しむようにしましょう。