浅煎り・深煎りだけじゃない?コーヒー豆の焙煎度合いは8段階!味の違いも解説

date
2023.04.16

浅煎りや深煎りという言葉は馴染み深いかと思いますが、実はコーヒー豆の焙煎度合いは全部で8段階と、とても細かく分かれています。コーヒーの焙煎(ロースト)は、その後のコーヒーの味や風味に大きな影響をもたらす重要なプロセスです […]

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浅煎りや深煎りという言葉は馴染み深いかと思いますが、実はコーヒー豆の焙煎度合いは全部で8段階と、とても細かく分かれています。コーヒーの焙煎(ロースト)は、その後のコーヒーの味や風味に大きな影響をもたらす重要なプロセスです。同じ豆でも焙煎度合いが違えば全く違った味わいを楽しむことができます。

 

そもそも焙煎(ロースト)って?

コーヒー豆はそもそも、コーヒーの実の中にある種子です。収穫されたコーヒーは様々な方法で精製(周りの実を取り覗き乾燥・熟成)されます。この時点ではコーヒー豆はまだ薄い緑色で、そのまま各国に輸出されていきます。私たちが飲んでいるコーヒー豆も日本に着いた時点ではこの緑色の豆で、「生豆(きまめ)」や「グリーンビーン」と呼ばれます。この状態のコーヒー豆はいわば生のような状態で、私たちが想像するようなコーヒーの苦味や香ばしさといったものはほとんど無く、どちらかというと青臭さがあります。この生豆を煎ることによって熱を加え、本来のコーヒーの味を引き出すのが焙煎処理になります。焙煎度合いの違いは焙煎の際に加熱処理する時間や温度によって変化します。

 

焙煎度合いによって味が変わるのはなんで?

コーヒーの生豆は加熱処理を加えることで成分が化学反応を起こし、コーヒーの酸味や苦味、香ばしさといった味の成分が作られます。コーヒー豆が焙煎度合いによって味が違うのは、これらの化学反応の進み具合の違いによるものです。焙煎のやり方によってコーヒーの風味は大きく変化するため、焙煎の技術はコーヒーの味を決める重要なファクターとなっています。

 

コーヒー豆の焙煎度合いは全部で8段階

焙煎度合いというと、多くの人が「浅煎り」や「深煎り」といったワードをイメージすると思います。焙煎度合いは大きく分けると浅煎り・中煎り・深煎りの3つに分類されますが、それをさらに細かく分解して行くと全部で8段階に分類されます。それぞれの焙煎度合いには、以下のように名前がついています。

  1. 1.ライトロースト
  2. 2.シナモンロースト
  3. 3.ミディアムロースト
  4. 4.ハイロースト
  5. 5.シティロースト
  6. 6.フルシティロースト
  7. 7.フレンチロースト
  8. 8.イタリアンロースト

 

1番のライトローストが一番浅煎りで、番号が大きくなるに連れて焙煎度合いが深くなっていきます。それぞれの焙煎度合いの特徴は以下のようになります。

 

1. ライトロースト

もっとも焙煎度合いが浅く、一般的にはあまり飲まれていない焙煎度合いになります。全体的に酸味が強く感じられ、コーヒー豆が持つフルーティーさや酸味を際立たせたい時に用いられる焙煎度合いになります。以前は、ここまで浅煎りのものは珍しかったですが、最近は浅煎りの焙煎も人気が出てきたため、ライトローストの豆も見られるようになってきています。

 

2. シナモンロースト

その名の通り、焙煎後の豆のカラーがシナモン色なのがシナモンローストです。ライトローストよりはもう少し火が通っていますが、紅茶のような軽い口当たりや爽やかな酸味、フルーツのような甘酸っぱさが楽しめる焙煎度合いです。

 

3. ミディアムロースト

ミディアムという名前からもわかりやすいように、ここからが「中煎り」という分類になります。香ばしさやチョコレート感は出てくるものの、まだ酸味も感じられます。苦味はそこまで無く、日本人に人気のバランスの良いコーヒーが多いです。

 

4. ハイロースト

ミディアムロースト同様に、酸味、甘味、苦味が全体的にまとまりバランスが取れた焙煎度合いになります。ミディアムローストよりはコクがしっかり感じられ、ブラックでもミルクでも飲みやすい仕上がりになります。

 

5. シティロースト

いわゆる深煎りに当たるのがこのシティロースト以降になります。ミルクチョコレートのような綺麗な茶色で、酸味は比較的落ち着いて、よりしっかりとした苦味が感じられるようになってきます。ミルクなどとも非常に相性が良い場合が多いです。

 

6. フルシティロースト

シティローストよりも深い焙煎で、フルシティローストくらいからだんだんと豆の表面に油(コーヒーオイル)が滲み出し、ツヤっとした見た目になってきます。酸味はだんだんと感じづらくなり、苦味や香ばしさがメインになってきます。

 

7. フレンチロースト

エスプレッソ文化の強いフランスで親しまれていた焙煎度合いであることから、フレンチローストと呼ばれます。しっかりと濃い茶色で、基本的にはエスプレッソとして抽出し、しっかりとコクのあるコーヒーを楽しむための焙煎です。

 

8. イタリアンロースト

もっとも深い焙煎度合いになります。イタリアもフランス同様、エスプレッソ文化が根強く、かなり深煎りの豆が好まれる傾向にあります。イタリアンローストは黒にも近い濃い茶色で、ガツンとした苦味が特徴になります。酸味はほとんど感じられません。

 

日本で定番の焙煎度合いは?

喫茶店文化の強い日本では、酸味が苦手な人が多いこともありバランスの良いミディアムロースト~シティローストが好んで飲まれる傾向にありました。しかし、近年ではスペシャリティーコーヒーやサードウェーブコーヒーの台頭により、浅煎りの豆も好まれるようになってきました。特に、豆本来が持つ香りやフルーティーさなどを引き出しやすい浅煎りの豆は、新しいコーヒー文化とともに人気が出てきています。

 

浅煎り・中入り・深煎り、結局どれがおすすめ?

おすすめの焙煎度合いはその豆がもともと持つ味の性質や、飲む人の好みによって変わってくるため、一概には言えません。焙煎度合いは基本的に浅煎りであればあるほど酸味が強く感じられ、深煎りになるにつれ苦味やコクが増していきます。

浅煎りの場合は酸味だけでなく、フルーツティーのようなジューシーさや甘み、華やかなアロマが感じられ、さっぱりとした仕上がりのものが多いです。コーヒーの苦味があまり得意でない人や、華やかな味わいのコーヒーが好きな人には浅煎りの豆がおすすめです。中煎りはコーヒーの甘味・酸味・苦味がバランスよく感じられるため、万人受けする焙煎度合いです。クロワッサンなどのペストリーや焼き菓子はもちろん、食事との相性も良いので、迷ったらまずは中煎りから試してみましょう。深煎りはしっかりとしたコクと強い苦味、香ばしさが特徴です。あまり酸味が得意でない人や、濃いめのコーヒーが好きな人には深煎りの豆がおすすめです。

 

飲み方によって焙煎度合いを変えるのもおすすめ

浅煎りの豆はフルーティーさや酸味が特徴のものが多く、ドリップコーヒーはもちろん、コールドブリューなどで飲むもおすすめです。ただしミルクを入れると、ものによっては味の印象がぼやけてしまう場合もあります。飲みやすさやミルクとの相性を考えるのであれば中煎りの豆は実は万能です。バランスが取れているためブラックでもミルク入りでも楽しむことができます。

一方で強い苦味のあるエスピレッソや、ガツンと苦い昔ながらのアイスコーヒーが飲みたい場合には深煎りの豆がおすすめです。しっかりとしたコクと苦味が感じられるためエスプレッソとの相性がいいのはもちろん、ミルクを入れてもなおコーヒーの味が薄まることなく、その苦味を楽しむことができます。

 

自分のお気に入りの焙煎度合いを見つけよう!

焙煎度合いの概要がなんとなく掴めたら、まずはいろいろな種類の焙煎度合いを飲み比べてみてください。酸味や苦みなどといった違いはもちろん、コクやボディー感などにも明確な差があります。色々と試して、ぜひ自分の好みの焙煎度合いを見つけてみましょう。