実は日本も含まれる?コーヒー栽培に最適なエリア「コーヒーベルト」って?

date
2023.04.10

コーヒーベルトとは、コーヒー栽培に適したエリア一帯を指した単語です。日本ではコーヒー栽培はほとんど行われていませんが、実は日本も一部だけこのコーヒーベルトに属しているって知っていましたか?コーヒーベルトに属している地域に […]

コーヒー

コーヒーベルトとは、コーヒー栽培に適したエリア一帯を指した単語です。日本ではコーヒー栽培はほとんど行われていませんが、実は日本も一部だけこのコーヒーベルトに属しているって知っていましたか?コーヒーベルトに属している地域には、コーヒー栽培で有名な国がたくさんあります。

 

コーヒーベルトって?

コーヒーベルトとは、赤道を中心に北緯25度・南緯25度の間のエリアを指します。地図上で見た際に、地球をぐるっと囲うベルトのようになっていることから、コーヒーベルトと呼ばれています。このコーヒーベルトに位置するエリアは、コーヒーの栽培に非常に適した気候と土壌を備えており、コーヒーの産地として有名な国が多く存在しています。

 

コーヒーベルトに位置する国は?

コーヒー栽培で有名な国は、ほとんどがこのコーヒーベルトに属しています。アフリカや南米・中南米はもちろん、ベトナムやインドネシアなどの一部のアジア地域、ハワイなどもコーヒーベルトに属しています。世界三大コーヒーと呼ばれるタンザニアのキリマンジャロ、ジャマイカのブルーマウンテン、ハワイのコナコーヒーは全てこのコーヒーベルト内で栽培されています。

 

コーヒー栽培に適した気候条件

コーヒー豆の栽培には、気温・雨量・土壌・日照量・標高の5つが重要なポイントといわれています。

 

・気温

気温は年間を通して平均20度ほどで、昼夜の寒暖差が大きい方が上質なコーヒー豆が育ちます。一日の間に寒暖差があると、コーヒーチェリーの中にある種子(コーヒー豆)がぎゅっと締まり、よりコーヒーの香りや味が凝縮されるといわれています。また、コーヒーは気温が下がった際に凍結を防ぐため、種子の中に糖分を蓄えるようになります。そのため、寒暖差がある地域で育ったコーヒー豆の方が、しっかりとした甘みがあるものが多いとされています。

ただし、コーヒーの木は寒さに弱く、最低気温は10度前後が理想的、つまり寒すぎても暑すぎてもダメな繊細な植物になっています。

 

・雨量

雨量は平均して年間1500〜2500mlほどが望ましいとされています。特に、雨季と乾季がある地域がコーヒー栽培には最適といわれています。これは、雨季に十分な降水量が得られることはもちろんですが、収穫後にコーヒー豆を乾燥させる際、雨が多いとうまく精製処理が行えないという理由もあります。

 

・土壌

これはほとんどの作物で共通して言えることですが、コーヒーの栽培にもやはり肥沃な土壌は欠かせません。コーヒー栽培にはさらに、水はけが良い土地であることも重要になってくるため、火山灰質の土壌はコーヒー栽培に非常に向いているといわれています。例えば、日本でも人気なキリマンジャロコーヒーが栽培されているキリマンジャロ山は、火山活動によって形成された火山灰質の土壌です。

 

・日照量

コーヒー栽培にはもちろん日照時間が必要ですが、コーヒーの木は強い直射日光に弱いため、常に強い日に晒されているような環境は望ましくありません。コーヒーの栽培時にはあえて「シェードツリー」と呼ばれるコーヒーの木より背の高い植物を植えることで、コーヒーの木に直射日光があたり過ぎるのを防いでいます。

 

・標高

理想の標高は実はコーヒーの品種によって異なります。500〜1000mほどの標高で育つ品種もありますが、アラビカ種の豆の場合は1500〜2500mほどと高地での栽培が向いています。国によってはコーヒーの格付けの条件に標高の高さを設けている国もあるほどです。また、標高が高くなればなるほど一日における寒暖差も激しくなるため、そういった側面からも標高の高さは重要な指標となっています。

 

コーヒーベルトの気候条件

コーヒーベルトのエリアは基本的に熱帯・亜熱帯地域になります。年間の平均気温が20度前後で、比較的降雨量が多いエリアになります。気候条件としては、コーヒーの栽培に非常に適したエリアと言えます。しかし、コーヒーベルト内に属していても、他の栽培条件である肥沃な土壌や標高などが揃わなければコーヒー栽培は難しくなります。

 

実は日本もコーヒーベルトに属している!

日本の領土は北緯20度〜46度に位置しています。そのため、コーヒーエリアの境目である北緯25度の中に少しだけ入っているエリアがあります。それが、沖縄の石垣島と宮古島、また東京の小笠原諸島に当たります。ただし日本では現在、大規模なコーヒー栽培は行われていません。理由としては、日本には四季があるため天気の移り変わりが激しく安定した栽培が難しいことが挙げられます。特に日本は台風の影響を頻繁に受けるため、コーヒー栽培が定着しづらいといわれています。しかし、そんな日本でも沖縄や小笠原諸島を中心に、小規模でコーヒー栽培をしている農園がいくつか存在しています。

 

日本の国産コーヒーを試してみよう!

日本国内ではまだまだ流通量は少ないですが、小規模生産をしているコーヒー農園を紹介します。

 

・沖永良部島珈琲農園

鹿児島県の奄美群島に位置する沖永良部島には、コーヒー専門店である「ノアコーヒー」が管理・運営している沖永良部島珈琲農園があります。この沖永良部島珈琲農園のコーヒーは実際にオンラインで購入することもできるので、国産コーヒーに興味がある方はおすすめです。

 

・Nose’s Farm Garden

小笠原諸島でコーヒー栽培をしている農園です。ここではなんとコーヒー農園を実際に見学できるコーヒーツアーをやっています。コーヒー栽培というと遠い国のことと思いがちですが、実際にどうやってコーヒーを作っているのかなど、コーヒー栽培について学ぶことができます。

 

・HIRO COFFEE FARM

沖縄は実は2017年に沖縄コーヒー協会というものが立ち上がったほど、日本でのコーヒー栽培に力を注いでいます。ヒロコーヒーファームはコーヒー栽培をしているだけでなく、カフェでそのコーヒーを実際に飲むことができます。沖縄旅行に行く機会があれば、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

コーヒーの産地の気候条件にも注目して

コーヒーの専門店でコーヒーを買うと、そのコーヒー豆の産出国はもちろん、詳しいエリアや農園、どれくらいの標高で栽培されたかなどがパッケージに記載されていることがあります。標高や気候条件はコーヒーの味を左右する大きなファクターです。コーヒーを飲みながら、このコーヒーはどんなところで取れたのかな?その国はコーヒーベルトに属しているのかな?など、産出国に思いを馳せながら味わってみてください。