【世界三大コーヒー】日本で圧倒的人気の「ブルーマウンテン」味の特徴と人気の裏側を解説!

date
2023.03.25

ブルーマウンテンといえば、誰もが一度は聞いたことのあるコーヒーの高級銘柄です。世界三大コーヒーの一つでもあり、その上品で落ち着いた味で日本でも昔から根強い人気があります。高級銘柄のため、知ってはいるけど飲んだことはないと […]

ブルーマウンテンといえば、誰もが一度は聞いたことのあるコーヒーの高級銘柄です。世界三大コーヒーの一つでもあり、その上品で落ち着いた味で日本でも昔から根強い人気があります。高級銘柄のため、知ってはいるけど飲んだことはないという人も多いのではないでしょうか。

 

世界三大コーヒーって?

世界三大コーヒーとは、その高い品質と流通量の少なさから世界的に高い人気を誇る3つの高級銘柄のことを指します。タンザニア産のキリマンジャロコーヒー、ハワイ産のコナコーヒー、ジャマイカ産のブルーマウンテンの3つが現在は世界三大コーヒーとされています。どれもクオリティーが高いのはもちろん、その希少性から世界中で高値で取引されています。

 

ブルーマウンテンコーヒーとは?

ブルーマウンテンは、ジャマイカの東部に位置するブルーマウンテン山脈の中でも限られたエリアでのみ栽培されたコーヒーを指します。このエリアはジャマイカ農産品規制公社(JACRA)によって定められ、特別に「ブルーマウンテンエリア」と呼ばれています。ブルーマウンテンは「コーヒーの王様」「黄金バランスのコーヒー」と呼ばれるほど全体のバランスが良く、味に奥行きがあるのが特徴です。非常に香り高く、飲むたびに贅沢なアロマが口の中に広がります。

 

ブルーマウンテンコーヒー 2つの特徴

ブルーマウンテンコーヒーには、他のコーヒーとは一線を画す大きな特徴が2つあります。

 

1. ジャマイカ農産品規制公社(JACRA)による厳格な管理

ジャマイカ農産品規制公社(JACRA:Jamaica Agricultural Commodities Regulatory Authority)は、ジャマイカにおける農産物の品質と公正な取引を管理・規制する機関です。コーヒー豆だけでなく、カカオ豆をはじめとする様々な輸出商品の品質管理を行なっています。ブルーマウンテンコーヒーはこのJACRAによって厳しく管理され、品質にも最新の注意を払って世界に出荷されています。JACRAはブルーマウンテンの栽培エリアだけでなく、品質管理や格付け、栽培時における化学薬品の使用規制など細かい部分まで厳密に管理を行なっています。

 

2. 樽で輸出されるブルーマウンテン

コーヒー豆は通常、麻袋に詰めて出荷されていきます。麻袋は軽くて風通しも良く、安価で調達できるため、湿気を嫌うコーヒー豆を保存するのには最適な素材です。しかし、コーヒー豆の中でも唯一、ブルーマウンテンだけはこの麻袋ではなく木製の樽に詰めて出荷されています。これは、木製の樽が内部の湿気を吸収・放出して適度な湿度に保ってくれることに加え、樽詰めだと輸送中の急激な温度変化の影響を受けにくいという点が挙げられます。樽詰めでの出荷はコストもかかりますが、ブルーマウンテンの品質管理に一役買っています。

 

ブルーマウンテンの栽培環境

ブルーマウンテンエリアに指定されている地域は、かなり傾斜の厳しい山岳地帯になります。標高は約800〜1200m、1日の寒暖差が大きく、水はけが良く豊かな土壌で栽培されています。また、ブルーマウンテン山脈は頻繁に霧がかかり、それが青みがかって見えることからその名がつけられました。このブルーマウンテンの名前の由来でもある青い霧は、土壌の表面を保湿し水分量を適度に保ってくれる効果もあります。

 

ブルーマウンテンコーヒーの歴史

ジャマイカにおけるコーヒー栽培の歴史は、18世紀初頭に当時のジャマイカ総督であるニコラス・ローズ卿が、コーヒーの苗木を持ち込んだのが始まりとされています。その後、ジャマイカでのコーヒー栽培は一度衰退の危機にさらされますが、20世紀半ばにイギリスの農業アドバイザーによってコーヒー産業復興計画が推進され、コーヒー産業公社(CIB)が設立されます。このコーヒー産業公社のもと、ジャマイカにおけるコーヒー栽培は見直され、ブルーマウンテンのブランド化にも成功しました。

 

ブルーマウンテンはどんな味?

ブルーマウンテンは、黄金バランスのコーヒーと呼ばれることもあるほど、コーヒーの苦味・酸味・甘みのバランスがよく、飲みやすいのが特徴です。また香り高く芳醇なアロマがあるため、贅沢な香りとその余韻を長く楽しむことができます。口当たりは滑らかで、全体的にまろやかな印象があります。

 

ブルーマウンテンの等級の付け方

ブルーマウンテンの等級はJACRAにより厳格に管理され、格付けされています。等級は上から、ブルーマウンテンNo.1・No.2・No.3・セレクトの4段階に分けられます。それ以外にも、貴重なピーベリーだけを集めた「ブルーマウンテン・ピーベリー」や、ブルーマウンテンエリア外の標高1000〜1200m地域で生産された「ハイマウンテン」と呼ばれる等級もあります。

格付けは、指定のブルーマウンテンエリア内で栽培されたことに加えて、スクリーンサイズ(豆のサイズ)や欠点豆の多さで判断されます。最上位ランクのブルーマウンテンNo.1はブルーマウンテンの中でも非常に厳しいチェックを経て認定されるため、総収穫量の3割にも満たないといわれています。

 

ブルーマウンテンのおすすめの飲み方

ブルーマウンテンコーヒーは非常にバランスが良いので、基本的にはどのような飲み方でも美味しく飲むことができます。程よい苦味とコクがあるためミルクとの相性も決して悪くはありませんが、その飲みやすさと香り高いアロマを楽しむのであれば、やはりブラックで飲むのがおすすめになります。コーヒーの王様ともいわれるブルーマウンテンの真骨頂をぜひ楽しんでみてください。

 

ブルーマウンテンのおすすめの焙煎度合い

ブルーマウンテンは比較的どの焙煎度合いでも美味しく飲むことができます。浅煎りの場合は、ほのかなフルーツ感とフレッシュさを楽しむことができ、中煎り〜深煎りであればしっかりとしたコクやチョコレートのような甘さを感じることができます。自分の好みに合わせて、好きな焙煎度合いを選んでみましょう。

 

日本とブルーマウンテンの深い関係

ブルーマウンテンコーヒーは日本との関係が非常に深い豆でもあります。実は日本はブルーマウンテンの最大の輸入国で、全世界に出荷されるブルーマウンテンの約70〜80%は日本で消費されています。この背景としては、ブルーマウンテンのブランド力に加え、日本人は酸味の強いコーヒーがあまり得意ではなく、バランスのとれた味を好むことがあげられます。

 

1月9日は「ブルーマウンテンコーヒーの日」

1月9日はジャマイカのコーヒー業界にとって、歴史的な日として記録されています。それはブルーマウンテンのブランド化を支えた背景ともなる大きな事件がこの日に起きたためです。1960年代に日本のある企業がその年の生産量の約60%にものぼる大量のブルーマウンテンコーヒーの買い付けを行いました。その大量のブルーマウンテンを出荷するための船がジャマイカのキングストン港から日本に向けて出航したのが1967年の1月9日だったため、この日はブルーマウンテンコーヒーの日とされています。

ちなみに、ブルーマウンテンコーヒーは厳しい栽培環境や品質検査を潜り抜けて初めて「ブルーマウンテン」を名乗れることから「勝ち豆」とも呼ばれています。そのため、ジャマイカでは1月9日は大切な人の勝利を願う日ともされています。

 

コーヒーの王様「ブルーマウンテン」のアロマを感じてみよう

ブルーマウンテンの芳醇なアロマと均整のとれた味は、非常に贅沢な体験を約束してくれます。まだ飲んだことがないという方は、厳しい環境と品質検査を乗り越えて日本にやってきたブルーマウンテンの本領をぜひ試してみてください。