ノンカフェインの紅茶として有名なルイボスティーは、その香り高いアロマと癖がなく飲みやすい味わいで幅広い層に人気の紅茶です。紅茶らしさがありながらも、カフェインが入っていないことで、妊娠中・授乳中の女性や、体質的にカフェイン摂取ができない人の強い味方でもあります。
ルイボスティーってどんなお茶?
実はルイボスティーは南アフリカの一部地域でしか栽培が行われていない貴重な茶葉です。また一般的な紅茶や緑茶と違い、マメ科の一種でその葉は針葉樹のように細く尖った形をしています。しっかりと濃い赤い色で、渋みやクセが少なく、飲みやすいのが特徴です。
ルイボスティーの原産地
ルイボスティーは南アフリカ共和国にあるセダルバーグ山脈でのみ栽培が行われています。セダルバーグ山脈は気候条件がとても厳しく、昼間は強い直射日光に照らされ、夏場の平均気温は40℃近くまで上がります。また、夜は大幅に気温が下がり、朝晩の寒暖差はなんと30℃以上にも上るといわれています。また、湿度も低く乾燥しており、土は酸性でカサカサとした印象を与える土壌が広がっています。
かつてルイボスティーの生産量を増やすため、他の土地での栽培を試みたことがあったそうですが、気候条件の違いから失敗に終わり、現在もこのセダルバーグ山脈でしかルイボスの栽培は行われていません。
ルイボスティーの特徴
ルイボスは、セダルバーグ山脈の厳しい環境下で栽培されているため、非常に高い栄養素を含んでいます。現地では古くから「不老長寿のお茶」として重宝され、治療や健康維持の目的から飲まれ続けてきました。高い抗酸化作用を持ち、様々な健康効果をもたらしてくれます。
また、マメ科の植物で元から一切カフェインが含まれていないため、誰でも安心して飲めるのもポイントです。
グリーンルイボスとレッドルイボス
ルイボスティーには実は、グリーンルイボスとレッドルイボスという二つの種類があります。二つの違いは収穫した茶葉を発酵させているかどうかにあります。普段、スーパーや紅茶屋さんなどでルイボスティーとして販売されているものは、ほとんどが発酵させて作られるレッドルイボスになります。
・レッドルイボス
酵素の働きで発酵させたルイボスティーです。価格が手頃で、嗜好品として広く親しまれています。しっかりとした香りがあり、味わいにもコクと深みがあります。全体的に香ばしさがあるため、食事やスイーツとの相性も良く、ほのかな甘みがあります。
・グリーンルイボス
グリーンルイボスは未発酵のルイボスで、レッドルイボスよりもさらにクセが少なく、香りも味もさっぱりとした印象です。茶葉が発酵しないように適切な管理が必要なため、レッドルイボスよりも値段が高い傾向にあります。一方で、レッドルイボスに比べて、抗酸化作用のある「フラボノイド」が約10倍も多く含まれており、より高い健康効果や美容効果が望めるといわれています。
ルイボスティーを飲むことで期待できる効果
ルイボスティーには健康維持だけでなく、美肌効果やむくみの解消など女性に嬉しい効能がたくさんあります。
・抗酸化作用と美肌効果
ルイボスティーには抗酸化物質の一つであるポリフェノールが豊富に含まれています。ポリフェノールは免疫力の低下や老化の原因となる活性酸素の働きを抑制し、シミ・シワ・たるみの発生を抑えたり、新陳代謝を活発にする効果があります。また亜鉛やマグネシウムといったミネラル成分やビタミンCなども豊富に含まれているため、老化防止や美肌効果も期待できます。
・リラックス効果
ルイボスティーには、神経の興奮を抑えて正常に戻す働きのあるマグネシウムが含まれています。そのため、緊張時やイライラが溜まった時などに飲むとリラックス効果が得られるといわれています。また、一般的な紅茶と違い、神経を活性化させるカフェインが含まれていないので、就寝前にもおすすめです。
・アレルギー症状の緩和
ルイボスティーには抗酸化作用の特に強いといわれているSOD酵素という抗酸化物質が含まれており、アレルギー症状の元となるヒスタミンを抑制する作用があります。そのため、薬のように強い効果や即効性があるわけではありませんが、毎日の習慣としてルイボスティーを飲むことはアレルギー症状の緩和に多少なりとも効果があるといわれています。
・利尿作用と便秘改善
ルイボスティーに含まれるカリウムは利尿作用を促し、むくみ対策に効果があるとされています。また、マグネシウムは腸の中で硬くなった便に水分を集めて柔らかくし、排出しやすくさせる効果があります。そのため、ルイボスティーを定期的に飲むことで、すっきりとしたデトックス効果が期待できます。
ルイボスティーを飲むことのデメリット
ルイボスティーを飲むことによって、何かしら不調が起こったり副作用があったりということは、基本的にはありません。ルイボスティーにはカフェインも含まれておらず、妊娠中でも子供でも飲むことができます。
ただしあまりにも大量に飲みすぎてしまうと、利尿作用によりトイレが近くなったりということが考えられるので、あくまでも1日に2〜3杯程度と適量に留めておきましょう。
ルイボスティーの淹れ方
ルイボスティーはティーパックタイプのものも簡単に手に入り、比較的手軽に飲めるようになっています。ただし、健康維持や美容効果を期待する場合は、しっかりと煮出して抽出するのがおすすめです。これは、ルイボスティーの抗酸化成分が、しっかりと時間をかけて煮出さないと抽出されづらいためです。煮出して抽出する際は、以下のレシピを参考にしてみてください。
・材料
- 水 1L
- 茶葉 5g
・淹れ方
- ①水を鍋ややかんに入れしっかりと沸騰させる
- ②沸騰したら茶葉を投入し、弱火で10分しっかりと煮出す
- ③10分経ったら茶葉を取り除く
ただし、時間がなかったり、めんどくさいと感じる場合は、通常の紅茶のようにティーパックにお湯を注ぐだけでも充分美味しく飲むことができます。また、水出しの場合は熱で壊れてしまうビタミン成分までしっかりと抽出することができるので、煮出すのがめんどくさい場合は水出しもおすすめです。ただし、水出しの場合は水出し専用のルイボスティーの茶葉があるので、そちらを利用するようにしましょう。
ルイボスティーのおすすめアレンジ
ほのかに甘みと香ばしさのあるルイボスティーは実はミルクとの相性も抜群です。ミルクを使って煮出すロイヤルミルクティーのアレンジがおすすめです。
・材料
- 水 1カップ(200ml)
- 牛乳 1カップ
- 茶葉 2g
・淹れ方
- ①鍋に水を入れ沸騰させる
- ②ルイボスティーの茶葉を入れ、しっかり10分煮出す
- ③牛乳を入れ、そのまま弱火で加熱
- ④沸騰する直前に火を止める
- ⑤茶こしを使って茶葉を取り除く
しっかりと甘みが欲しい方は、はちみつを足してみましょう。またクセの少ないルイボスティーは生姜などを入れても味が喧嘩しないので、より温まりたい場合はすりおろした生姜を入れてジンジャールイボスティーにするのもおすすめです。
ルイボスティーをうまく活用しよう
ルイボスティーは健康維持や美容効果のある成分が多いだけでなく、カフェインが元から含まれていないノンカフェインの紅茶です。普段カフェインを摂取しすぎているなと感じている方や、妊娠中・授乳中の女性でも安心して飲むことができるので、気になった方はぜひ試してみてください。日々のティータイムや仕事のお供にはもちろん、就寝前にもおすすめです。うまくルイボスティーを生活に取り入れて、体の調子を整えていきましょう。