コーヒーの味は水で変わる?コーヒーには軟水がおすすめって本当?!

date
2023.05.26

自宅でコーヒーを淹れる際、水は何を使っていますか?実は、コーヒーの味と水には深い関係があり、使う水の種類によって、コーヒーの味わいはかなり左右されます。水道水をそのまま沸かして使っているという人も中にはいるかもしれません […]

自宅でコーヒーを淹れる際、水は何を使っていますか?実は、コーヒーの味と水には深い関係があり、使う水の種類によって、コーヒーの味わいはかなり左右されます。水道水をそのまま沸かして使っているという人も中にはいるかもしれませんが、水の違いを知れば今以上に好みのコーヒーを淹れられるようになるはずです。

 

コーヒーは99%が水

そもそも、コーヒーはほとんどが水で出来ています。いわゆるドリップコーヒーに含まれるコーヒー成分は全体の1〜2%、つまりコーヒーの98〜99%は水ということになります。しっかりと濃いエスプレッソでも、コーヒー成分は10%ほどといわれています。コーヒーの味が水の品質によって変化するのも、当然のことでしょう。

 

水がコーヒーの味に影響を与える2つの要因

コーヒーの味が使用する水によって変化する理由は、主に2つあります。

 

1:水の硬度

水の硬度、いわゆる軟水・硬水というのは水に含まれるミネラル分の量によって決まります。ここで言うミネラル分とはカルシウムイオンやマグネシウムイオンのことで、ミネラル分の含有量が多いと硬水、少ないと軟水という風に分類されています。世界保健機関(WHO)が定める基準を元にすると、水の硬度は「水1Lの中に含まれるミネラル分の量」によって、以下のように分類されます。

  • 60mg/L以下:軟水
  • 60〜120mg/L:中硬水
  • 120〜180mg/L:硬水
  • 180mg/L以上:超硬水

 

水に含まれるミネラル分はコーヒーの成分と結びつきやすいため、硬度が高くなればなるほどコーヒーの味に影響を及ぼしやすくなります。それなら蒸留水やRO水(ミネラル分を完全に濾過したピュアウォーター)で淹れればいいのでは?と思うかもしれませんが、実はこのミネラル分はコーヒーの味を引き出す役割も担っています。そのため、全くミネラル分を含まない水ではコーヒーの味をきちんと抽出することは出来ません。RO水で淹れたコーヒーは、コーヒーのアロマがほとんど感じられないさらっとした仕上がりになってしまいます。

 

<硬度の違いによる味の変化>

コーヒーを淹れるのにおすすめの水は「軟水〜中硬水」になります。

 

・軟水で抽出した場合

→全体的にまろやかな口当たりながらも、明るい酸味が楽しめる

 

・中硬水で抽出した場合

→ボディー感がしっかりと感じられ、苦味が際立つ

 

つまり、浅煎りのコーヒーやフルーティーなコーヒーが好きなら軟水、しっかりとしたコーヒーの苦味やコクを味わいたいなら中硬水がおすすめということになります。ちなみに、超硬水でコーヒーを抽出すると非常に強い苦味やえぐみが感じられ、口当たりもかなり重たくなります。日本で簡単に手に入るミネラルウォーターでは、エビアンやコントレックスなどが超硬水に当たるので、気になったらぜひ試してみてください。

 

2:水のpH

水のpH、つまりアルカリ性の水か酸性の水かというのもコーヒーの味に影響を与えるポイントになっています。水のpHは「水1Lの中に含まれる水素イオンの量」を元に以下のように分類されます。

  • pH7以下:酸性
  • pH7:中性
  • pH7以上:アルカリ性

 

真水は中性じゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、基本的には完全の中性ということはあまりなく、弱酸性〜弱アルカリ性であることが多いです。この水のpHがコーヒーの味と関係してくる背景には、コーヒーが酸性の性質を持っていることが挙げられます。

 

<pHの違いによる味の変化>

・酸性の水で抽出した場合

→より酸味が際立ち、すっきりとした味わいに

 

・アルカリ性の水で抽出した場合

→酸性のコーヒーがアルカリ性の水で中和されるため、酸味が比較的抑えられ、角のないまろやかな仕上がりに

 

つまり、コーヒーのフルーティーさや酸味を引き出したい時には弱酸性の水がおすすめで、全体を丸くまとめたい時や、なめらかな質感にしたい時は弱アルカリ性の方がおすすめになります。

 

日本の水道水とコーヒー

上記の内容を踏まえた上で、じゃあ水道の水でコーヒーを淹れても問題はないのか?というと、むしろ日本の水道水はコーヒーの抽出には非常に向いていると言えます。日本の水は、基本的には軟水で、水質も非常に良いとされています。そのままだとカルキ臭さがある場合もあるので、理想は浄水器を通すか、しっかりと沸かして残留塩素を抜いてから使うのがおすすめです。

 

水道水の硬度は地域差があるので注意

日本は基本的には軟水地域になりますが、日本国内でも水質や硬度は地域によって多少差があります。場所によっては硬水よりの地域もあるため、自分が住むエリアの水が軟水か硬水かぜひ調べてみてください。日本では沖縄や千葉、埼玉、熊本などの地域は硬度が比較的高く、中硬水にあたる70〜90mg/Lといわれています。反対に北海道や東北エリア、広島、愛知などは30mg/L前後の超軟水エリアとなっています。

 

コーヒーにおすすめのミネラルウォーター

コーヒーを淹れる際に、水の質にもこだわりたいと思ったらミネラルウォーターを試してみるのもおすすめです。前述の通り日本は基本的に軟水ですが、地域によっては水の質には差があります。自宅でコーヒーを淹れてもなんとなくお店で飲むほど美味しくはないなと感じていたら、軟水のミネラルウォーターを試してみるのもいいかも知れません。

 

・いろはす天然水

スーパーやコンビニなので手に入りやすく、手頃なミネラルウォーターです。国産の水のため基本的には軟水ですが、地域によって採水場所が異なってくるため注意が必要です。採水場所によって30〜70mg/Lと硬度に差があります。

 

・クリスタルガイザー

アメリカ・カルフォルニアにある国立公園シャスタの豊かな水を使用しており、硬度は38mg/Lの軟水です。非常に口当たりが良く、コーヒーの鮮やかな酸味やフルーティーさが際立ちやすい水になっています。

 

・Volvic

海外のミネラルウォーターにしては珍しく、こちらも硬度が60mg/Lの軟水です。コーヒーのボディー感を引き出してくれるカルシウムが比較的多く含まれているので、なめらかでコクのある仕上がりになります。

 

水によって変わる味の違いを楽しもう

コーヒーの味わいは水の質によってかなり左右されます。水道水で普段コーヒーを淹れている人は、お住いの地域の水質をチェックしてみてもいいかもしれません。自分の味の好みに合わせて、ぜひ色々な水を試してみてください。