コーヒーの焙煎は自宅でもできる?初心者向けのやり方を紹介!

date
2023.05.21

コーヒーの焙煎というとどうしても特殊な機械や大掛かりな設備が必要な気がしてしまいますが、実は自宅でも簡単にできるって知っていましたか。自宅での焙煎は、自分好みの焙煎度合いにできるのはもちろん、常にフレッシュなコーヒーを飲 […]

コーヒーの焙煎というとどうしても特殊な機械や大掛かりな設備が必要な気がしてしまいますが、実は自宅でも簡単にできるって知っていましたか。自宅での焙煎は、自分好みの焙煎度合いにできるのはもちろん、常にフレッシュなコーヒーを飲むことができるというメリットもあります。

 

自家焙煎のやり方は3タイプ

コーヒーの焙煎の基本は、コーヒーの生豆を加熱し、時間をかけてじっくり煎ることです。自宅にあるもので手軽にやることもできますし、最近では家庭用サイズの全自動焙煎機なども販売されています。自宅でコーヒーの焙煎をするやり方はいくつかあり、最近では焙煎機も様々なタイプのものが販売されていますが、その方法は大きく3つに分類されます。

 

1:フライパン焙煎・手網焙煎

初期費用を限りなく抑え、できるだけ自宅にあるもので試してみたいという人向けの焙煎方法です。その名の通りフライパンを利用して、野菜を炒めるように豆を煎っていくのがフライパン焙煎です。手網焙煎は同じ要領で、取手付きのザルのような形をした専用の金網で生豆を煎っていきます。同様のタイプで網ではなく、蓋のついたフラインパンのような形の焙煎機もあります。

これらの焙煎方式は基本的に直火式なので、自宅のコンロやキャンプの焚き火などで簡単に行うことができ、火力や時間の調節も簡単です。また、専用の手煎り焙煎機や金網を購入したとしても、数千円から手に入れることができます。ただし、焙煎している15〜20分ほどの間、ずっと焙煎機を振り続けなくてはいけないため、ある程度の技術と根気が必要です。また自宅のコンロがIHの場合は、熱源を別に用意しなくてはいけません。

 

2:ドラム式手回し焙煎

ドラム式の焙煎機は、本体のドラムに生豆をいれて直火にあて、ドラムを手動で回しながら焙煎するタイプになります。ドラムについているハンドルを回すことでドラムを回転させるため、手動タイプでは比較的煎りムラができにくく、使いやすいアイテムとなっています。フライパン焙煎や手網焙煎に比べると本体のコストはかかりますが、労力を抑えて焙煎することができます。

 

3:全自動式

焙煎時間や温度などを設定して、あとは全自動でやってくれるタイプの焙煎機です。ずっと火元を見ている必要もなく、煎りムラもほとんどないため、手軽さはこの全自動式が一番と言えます。ただし価格は数万円〜数十万円とかなり値が張ります。

 

自宅で簡単!フライパン焙煎のやり方

今回は、特別なものを用意しなくてもできるフライパン焙煎のやり方を紹介していきます。基本的なやり方は、手網焙煎機を使った焙煎でも同じなので、興味を持ったら手網焙煎機も検討してみてください。

 

<用意するもの>

  • ・コーヒーの生豆 60gほど
  • (約2〜3杯分になります。あまり多いと煎りムラができやすいので注意)
  • ・フライパン
  • ・ザル
  • ・ドライヤー or うちわ

 

<基本の焙煎方法>

  1. 1.欠点豆を取り除く

焙煎前に生豆をざっとチェックし、割れている豆や極端にサイズや色の違う豆などを取り除きます。こうすることで、味や焙煎度合いのムラが少なくなり、クリアな仕上がりになります。

  1. 2.蒸らし(水抜き)〜6分

コンロの火を弱火に設定します。始め豆自体をゆっくりと乾燥させるため、弱火で2〜3分間じっくりと蒸らしていきます。フライパンは始めの段階から定期的に揺すって、きちんと全体に熱が行き渡るようにしましょう。

きちんと水抜きができると、色が少し白っぽくなり、生豆についている薄皮「チャフ」がだんだんと剥がれてきます。そのまま弱火でさらに3分ほどじっくりと熱を通します。

  1. 3.本焙煎

豆自体がほんのりと色づいて黄色っぽくなってきたタイミングで、火力をあげて中火にします。ここから本格的な焙煎になってきます。火力をあげたことでより焦げやすくなるので、これ以降は特に念入りに全体を攪拌するようにしましょう。

  1. 4.1ハゼ

10〜13分ほどの間で、1回目のハゼ(1ハゼ)が始まります。ハゼの合図は音で聞き分けます。全体から細かくパチパチという音が聞こえてきたら、ハゼがスタートした合図になります。このハゼのパチパチという音は、コーヒーの中に発生した二酸化炭素などのガスが豆の外に出ようとしてハジけるために起こる音です。ポップコーンがはじける時と同じような状態です。

このハゼの音が聞こえた段階以降、好きなタイミングで焙煎を終了してOKです。この1ハゼの音が聞こえたくらいからが「浅煎り」、1ハゼの音が止んだくらいからが「中煎り」になります。

  1. 5.2ハゼ

1ハゼが終了してから1〜2分後、つまり焙煎開始から13〜15分ほどで2ハゼが始まります。2ハゼは1ハゼの時よりも少し高温で小さいピチピチという音がします。2ハゼが始まったくらいが「中深煎り」で、それ以降は「深煎り」になります。

  1. 6.冷まし

好みのタイミングで焙煎を終えたら、すぐにザルやボールなどに移して豆を一気に冷まします。この時、冷風機能のあるドライヤーやうちわを使ってできるだけ速く豆から熱をとるようにしましょう。この冷ます作業を行わないと、余熱で焙煎が進んでしまい、狙った焙煎度合いにすることができなくなってしまいます。

 

自宅焙煎のコツと注意点

自宅での焙煎は正直慣れも重要です。初めての時は、あれ?この音がハゼかな?火力はこれで大丈夫かな?など気をつけなくてはいけないポイントが多く、なかなか思い通りにはできないかもしれません。今は動画などもたくさん出ているので、しっかりと全体の流れを掴んでから始めるようにしましょう。また、自分の好みの焙煎度合いを見つけるためにも、しっかりと時間を測ったり、豆の色を写真で残して置いたりなど、豆の状態をきちんと記録しておくことも大切です。

ちなみに20分間、ずっとフライパンを振り続けるのは結構疲れてしまいます。腕の力に自信がない場合は、本体が軽いフライパンや金網タイプの焙煎機を選ぶようにしたり、木ベラを活用するのもおすすめです。

 

生豆はどこで手に入る?

コーヒー豆はどこにでも売っていますが、コーヒーの生豆(グリーンビーン)を売っているのは見たことないという人がほとんどだと思います。一番手軽な方法は、やはりオンラインでの購入です。「コーヒー豆 生豆」などで検索すると生豆専門の通販サイトなどがたくさん出てくるので、そこで気になった豆を購入するのがおすすめです。稀に、コーヒー豆の専門店などでも店頭で生豆を売っていることがありますが、オンラインの方が選択肢も多く、少量から販売している場合が多いです。

 

すぐ飲むのは厳禁?!焙煎したコーヒーは寝かせよう

焙煎したてのコーヒー、と言われるとなんだかとてもフレッシュで良いもののように感じますが、実はコーヒーの専門店で焙煎したばかりの豆を使っている店は基本的にはありません。その理由は、焙煎時にコーヒー豆の中に発生する二酸化炭素などのガスにあります。買ったばかりの豆でコーヒーを入れるとふわふわとコーヒー豆が膨らみますが、これはコーヒー豆の中に含まれるガスが放出されているためです。ガスは時間の経過に従って次第に抜けていくので、時間が経った古い豆では、抽出時にふわふわとコーヒーが膨らむことはありません。そのため、このガスはコーヒーの新鮮さの目安ともされています。

しかし、焙煎したての豆にはこのガスが大量に含まれています。コーヒーを淹れる際に、あまりにもガスが多すぎるとどうなるのでしょうか?実は、大量のガスはコーヒー豆とお湯が均一に触れ合うことを阻害してしまいます。そのため、焙煎したての豆は抽出にムラが出てしまったり、うまくコーヒーの甘みやアロマを引き出すことが難しくなってしまいます。もちろん飲む分には問題ありませんが、少なくとも焙煎後3〜4日は寝かすのがおすすめです。余分なガスを抜いてからの方が味も落ち着いて、その豆が持つアロマをきちんと楽しむことができるようになります。

 

自宅で本格焙煎コーヒーを楽しもう

コーヒーの焙煎は、火加減や焙煎時間を変えるだけで色々な味が楽しめる奥深い作業です。もちろんある程度の技術は必要になってきますが、コツさえ掴めば自宅でも気軽に焙煎を楽しむことができます。自宅で焙煎ができれば、同じ豆で色々な焙煎度合いを飲み比べたり、自分のお気に入りの焙煎度合いのコーヒーを模索したりなんてこともできてしまいます。ぜひこの機会に自宅焙煎を初めてみてはいかがでしょうか。