アラビカ・ロブスタ・リベリカ?コーヒー豆の品種は全部で3種類!違いを解説

date
2023.04.01

コーヒーの品種は細かく分かれていますが、大きく分類するとアラビカ種、ロブスタ種(カネフォラ種)、リベリカ種の三種類に分けられます。この三種類はコーヒーの「三大原種」と呼ばれています。それぞれ味の違いはもちろん、含まれるカ […]

コーヒーの品種は細かく分かれていますが、大きく分類するとアラビカ種、ロブスタ種(カネフォラ種)、リベリカ種の三種類に分けられます。この三種類はコーヒーの「三大原種」と呼ばれています。それぞれ味の違いはもちろん、含まれるカフェイン量などにも大きな違いがあります。

 

コーヒーの三大原種って?

コーヒー豆の品種は元をたどると大きく3つの原種に分類することができます。お米の品種を想像してもらうとわかりやすいかもしれませんが、お米は大きくジャポニカ米・インディカ米・ジャバニカ米に分けられ、そこから細かくコシヒカリやササニシキなどといった品種に分類されていきます。

コーヒーも同じで、三大原種であるアラビカ種・ロブスタ種・リベリカ種を原種とし、そこから細かくブルボン、カトゥーラ、ティピカ、ゲイシャなどの品種に分かれていきます。ちなみに、コーヒーの三大原種といっても、リベリカ種は一部地域でしか栽培されず、世界での流通量も全体の1%以下と、非常に希少な種になっています。日本ではなかなかお目にかかることができないこともあり、アラビカ種とロブスタ種で二大原種といわれることもあります。

 

コーヒーの品種は100種類以上

コーヒーの品種は実は細かく分類していくと100種類以上にものぼります。その土地に元から根付いている在来種と呼ばれるものや、突然変異種、人工交配で作られたものなど、その種類は多岐に渡ります。近年では、科学技術の発展に基づき、品質の向上はもちろん、耐病性が高い品種や生産性が高い品種などを作るための人工交配の研究が日々行われています。今後研究が進めば、私たちが飲んだことのないような新しいコーヒーが生まれてくるかもしれません。

 

アラビカ種、ロブスタ種、リベリカ種それぞれの特徴は?

三大原種は、それぞれ味や品質、カフェイン含有量、また病気や環境変化に対する耐性などで大きな違いがあります。

 

・アラビカ種

アラビカ種のコーヒー豆は非常に味と香りが豊かで、甘みが強いのが特徴です。アラビカ種は全体の流通量の約60~70%を占めており、ゲイシャ種やブルボン種、カトゥーラ種など有名な品種は基本的にこのアラビカ種に属しています。味が繊細で品質が高いものが多く、スペシャリティーコーヒー業界で主に飲まれているコーヒーは、ほとんどがこのアラビカ種になります。

一方で、アラビカ種は病気や害虫に弱く、栽培に非常に手間がかかります。収穫量もロブスタ種に比べると少なく、取引価格も非常に高くなっています。

 

ロブスタ種

ロブスタ種はしっかりとした苦味と、香ばしさ、酸味の低さが特徴の豆です。味は比較的シンプルで、アラビカ種にみられるような味の複雑さやバリエーションはあまりありません。カフェイン含有量も多く、アラビカ種に比べるとそのカフェイン量は約2倍といわれています。

一方で、ロブスタ種は耐病性が非常に高く、気候の変化や害虫にも強いという強みがあります。一度に収穫できる量も多く、価格も安価で取引されています。また高地栽培が適しているアラビカ種に比べ、ロブスタ種は1000m以下の低地での栽培が可能なため、栽培・収穫の手間が低いのも特徴です。いわゆる缶コーヒーやインスタントコーヒー、コーヒーがベースの飲料や製菓などに使われているのは、ほとんどこのロブスタ種になります。

 

・リベリカ種

リベリカ種の豆はフィリピンやマレーシアなどの一部地域でしか生産されておらず、流通量が非常に低い品種になっています。流通しているもののほとんどがヨーロッパを中心に消費されているため、日本ではなかなかお目にかかることがない品種になっています。リベリカ種のコーヒー豆の粒はアラビカ種やロブスタ種に比べると少し細長く、ひし形タイプとも呼ばれます。品質はアラビカ種には劣りますが、香りが良いコーヒー豆として知られています。

リベリカ種の生産量が低い理由としてはコーヒー特有のさび病にかかりやすいだけでなく、乾燥や害虫に弱いといった欠点が挙げられます。また、リベリカ種のコーヒーの木は大きく成長するため、収穫に手間がかかるため、大量栽培には向いていません。

 

ロブスタはアラビカよりも劣っている?

稀にカフェや缶コーヒーなどでも「アラビカ豆100%使用」といった文言を見ることがあります。世界的には、市場価格からもわかるようにアラビカ種のコーヒー豆の方が高い評価を受けています。では、ロブスタ種はただの品質が低い大量生産のコーヒー豆なのかというと、その認識には少し誤りがあります。ロブスタ種の豆でも近年は品質の高いものが増えてきており、その苦味と香ばしさのバランスを活かした豆の生産が行われています。

また、ロブスタ種のコーヒー豆は時間経過による味の劣化がアラビカ種に比べて起こりにくいとされているため、しっかりと苦味のあるアイスコーヒーなどを淹れたいときにもおすすめです。また、苦味とコクがあることから、ミルクとの相性もよいのが特徴です。酸味が苦手な人にとっては、もしかしたらロブスタ種の方が口にあっている場合もあるかもしれません。

 

ブレンドコーヒーのアクセントにロブスタが活躍?

ロブスタ種の豆は実はブレンドコーヒーを作る際の強い味方ともいわれています。ロブスタ種の持つキレのある苦味はブレンドコーヒーに程よいアクセントをもたらしてくれます。特に、ガツンとした強い苦味とコクのあるコーヒーが好まれる国や地域では、ロブスタ種の苦味は好んで飲まれることもあります。実際にスペシャリティーコーヒーでもオリジナルブレンドの中にロブスタを利用しているお店もあるほどで、要は使い方次第ということになります。

 

それぞれの違いを楽しんで!

ロブスタ種、アラビカ種、リベリカ種、それぞれに味や風味に全く異なる特徴があります。リベリカ種は日本ではほとんどお目にかかることはできませんが、アラビカ種とロブスタ種は比較的簡単に試すことができます。ロブスタ種はあまり馴染みがないかもしれませんが、独特な苦味と香ばしさは人によっては癖になるかもしれません。ぜひ一度試して、その味の違いを楽しんでみてください。