カフェオレとカフェラテ、お店によってはどちらかしか置いていなかったり、どちらもメニューにあったりと、違いが分かりにくいドリンクです。どちらもコーヒーとミルクが入っているのは分かるけど、違いはうまく説明できないという人が多いのではないでしょうか。実はカフェオレとカフェラテでは、カフェイン量にも差があります。
カフェオレとカフェラテの違いは?
カフェオレはフランス語の「café au lait(カフェ・オ・レ)」、カフェラテはイタリア語の「Caffè Latte(カフェ・ラッテ)」が語源となっています。どちらも実は「コーヒーとミルク」という意味ですが、実際には似て非なるものです。そんなカフェオレとカフェラテの違いは主に3つあります。
ベースのコーヒーの違い
カフェオレとカフェラテでは基本となるコーヒーの抽出方法が異なります。
- カフェオレ:ドリップコーヒー
- カフェラテ:エスプレッソ
カフェオレはペーパーフィルターを通して抽出されたドリップコーヒーがベースになっています。ドリップコーヒーは、エスプレッソに比べて水の比率が高く、全体的にさらっと飲むことができます。そのため、ドリップコーヒーがベースのカフェオレも全体的に軽い口当たりになります。
一方でカフェラテに使われるエスプレッソは、専用の機械(エスプレッソマシーン)を使用し、高い圧力をかけて抽出されているため、コーヒーの成分が凝縮された濃厚な液体です。コーヒーの香りや旨味が凝縮されているため、濃厚でしっかりとした苦味とコクを楽しむことができます。
使用するミルクの違い
ベースのコーヒーだけではなく、使用するミルクの状態にも違いがあります。
- カフェオレ:温めたミルク
- カフェラテ:蒸気でスチームしたミルク(スチームミルク)
カフェオレに使われるのは基本的に温めただけのミルクです。お店によってはスチームしたミルクを使って泡をのせている場合もありますが、基本的なスタイルは温めたミルクを入れるだけです。それに対して、カフェラテは必ず蒸気でスチームしたいわゆるスチームミルクを使います。程よくふわっとした滑らかな口当たりが特徴で、ラテアートなどが描けるのもこのスチームしたミルクを使っているためです。
コーヒーとミルクの比率の違い
カフェオレとカフェラテに大きく違いをつけているのが、このコーヒーとミルクの比率の違いです。それぞれのコーヒーとミルクの比率は以下のようになっています。
- カフェオレ:5:5〜8:2 (コーヒーとミルクが同量か、コーヒーが多い)
- カフェラテ:1:4〜1:5 (コーヒーは少量で、ミルクが多い)
カフェオレのミルク量はお店によって差がありますが、基本的にコーヒーと同量か、ミルクの方が少なめであることがほとんどです。ミルクの量がコーヒーを上回ることはありません。理由としては、ドリップコーヒー自体がすでに軽い口当たりのため、あまり多くのミルクを入れてしまうと、コーヒー感が薄れてミルクの味が勝ってしまうためです。
一方で、カフェラテに使われるエスプレッソはしっかりと濃い濃縮液であるため、カフェラテはたくさんのミルクを加えてもコーヒー感をしっかりと楽しむことができます。
さらっと飲みやすいミルクコーヒーが良い人にはカフェオレ、しっかりとしたコーヒーのコクとミルクの味わいを楽しみたい人はカフェラテがおすすめです。
カフェオレとカフェラテ、カフェイン量の違い
カフェオレとカフェラテ、どちらの方がカフェイン量が多いのかというのは実は一概には言えません。理由としては、コーヒーにはそのお店ごとに独自のレシピがあり、同じカフェオレやカフェラテをとっても、使用しているコーヒーとミルクの量の比率がかなり異なってくるためです。また、コーヒーは豆の種類や焙煎度合いによってもカフェイン量が変わってくるので、ここで説明するカフェイン量の違いはあくまでも目安になります。
カフェオレに含まれるカフェイン量
一般的なブラックのドリップコーヒーに含まれるカフェイン量は100mlに対して約60〜70mgとされています。そのため、マグカップ1杯(230ml)のカフェオレを飲んだ際、コーヒーとミルクの比率が5:5の場合だとカフェイン量は約80mg、コーヒーとミルクの比率が8:2の場合だと約130mgとなります。カフェオレはミルクとコーヒーの量が同量か、コーヒーの割合が多いドリンクなので、基本的にはしっかりとカフェインが入っていると思っておきましょう。
カフェラテに含まれるカフェイン量
エスプレッソに含まれるカフェイン量は、エスプレッソ100mlに対して約200mgとされています。ドリップコーヒーに対して、カフェイン量が異常に多いように感じますが、エスプレッソはしっかりと濃いコーヒーなので、実際に1杯のカフェラテに使われる量はあくまでも少量になります。
実際にどれくらいの量のエスプレッソを使用しているかはお店によって異なりますが、基本的にはマグカップ1杯(230ml)に対して使われるエスプレッソの量は20ml〜30mlほどです。つまりカフェラテ1杯に含まれるカフェイン量は約40〜60mgとなります。
つまり、単純にカフェイン量だけを比べると、基本的にはカフェラテの方がカフェイン量は少なめなことが多い、しかしカフェオレのコーヒーとミルクの量の比率によってはあまり差がないということになります。
ブラックコーヒーやインスタントコーヒーのカフェイン量は?
カフェオレとカフェラテのカフェイン量はレシピによりけりですが、その他のコーヒーのカフェイン量はどうでしょうか。ブラックコーヒーにはフィルターを使って淹れるドリップコーヒーとエスプレッソをお湯で割ったアメリカーノがあります。ドリップコーヒーのカフェイン量はマグカップ1杯(230ml)に対して約140〜160mgといわれています。
一方でアメリカーノはエスプレッソ20〜30mlほどをお湯で割ったものなので、カフェラテ同様にカフェイン量は約40〜60mgとなります。インスタントコーヒーのカフェイン量は基本的にはドリップコーヒーと変わりませんが、商品によって多少の違いがあります。
デカフェをうまく取り入れよう
コーヒーに含まれるカフェイン量が気になる場合は、デカフェのコーヒーを活用するのもおすすめです。最近では多くのカフェで、デカフェやカフェインレスの豆の取り扱いが増えてきました。またコーヒー豆からカフェインを取り除く技術も日々進化しており、今ではコーヒー豆の持つ本来の風味をほぼ損なうことなく、カフェインだけを除去することが可能になっています。
カフェオレとカフェラテ、自分の好みを覚えておこう
カフェオレとカフェラテの違いはなんとなく分かった、となったらまずは実際にお店で試してみてください。味や質感の違いは試して初めて分かるものです。その上で、自分の好みはどちらかを把握して、その日の気分や体調によって楽しみ方にバリエーションを持たせておきましょう。体の調子と相談して、時にはデカフェも活用しつつ、楽しいコーヒータイムを過ごしてください。